月の裏側を見てみたい。

「札幌の家庭教師ポプラ工房」共同代表 横山の雑記

返信は期待していない。

先日、
ぶらりと立ち寄ったパスタ店。
美味しかったので、再び足を運んだ。
立ち寄るまで全く知らなかったのだが。オープンして30年以上になるという。

店の片隅に、顧客が書き置きしていくノートが置かれていた。

落書き帳とでも言うのだろうか?
ドラえもんの落書きなどの他に、
その日の料理の感想、店に対する想い、想い出などが書かれていた。

いつからはじめられたのかはわからないけど、ノートはざっと見た限りでも50冊はあった。
そして、メーセージ一つ一つ丁寧に返事が書かれていた。

隣に塾があるその店の隅、500円玉を片隅に置いてコーヒーで自習していた子が、12年ぶりに店を訪れた。
ひっそり残していった落書きに、「あぁ。覚えていますよ。またいつか来てください」というようなやり取りの

決して便利な立地条件にないこの店が30年続く。そんな理由を見た気がする。

またいつか来てくださいという返信を書いた当人が読むのは次に来た時。

すべてのメッセージに(さすがにドラえもんの落書きには返事をしていないけど。)返信を期待しない返事が綴られている。

我々は往々にして、投げかけたものの返事を即時に求めてしまうけど、
互いに、返事のタイミングを期待しないそんなやり取りがあってもいい。

「既読無視?」
そんな事で騒ぐ人たちは
このノートを見てみるといい。

そして、ぼくはなにを書こうか?
クリームパスタで、上顎を火傷した事をメッセージに書こうかどうかを迷う。
きっと、「お客さん、次回はゆっくり食べてくださいね。」と書かれたりするのだろう。いつ来るかわからない客に。